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第28回板ガラスフォーラム開催 「ウェルビーイングと未来の窓ガラスの方向性」 全国から400名超が参加

2026.06.22

森板硝子協会会長
木村全硝工連会長
畑田経産省大臣官房審議官
田中全国卸会長
板ガラスフォーラムの様子
懇親会で登壇した各団体の代表者

 板ガラス業界8団体[全国板硝子商工協同組合連合会、全国板硝子工事協同組合連合会、全国板硝子卸商業組合連合会、全日本鏡連合会、全国安全硝子工業会、全国複層硝子工業会、機能ガラス普及推進協議会、(一社)板硝子協会]は6月12日(金)、東京都品川区の品川プリンスホテルアネックスタワー5階プリンスホールで「第28回板ガラスフォーラム」を共催した。今年のメインテーマは「ウェルビーイングと未来の窓ガラスの方向性」として、全国から400人を超える関係者が参加した。

 午後2時にスタートしたフォーラムは、はじめに主催者を代表して、板硝子協会・機能ガラス普及推進協議会の森重樹会長が参加者へのお礼と開会のあいさつ(要約)を、次のように述べた。

 「近年、建築分野では省エネルギーや脱炭素化に加え、健康で快適に暮らすことや働きやすい空間づくりといったウェルビーイングの考え方がますます重要視されるようになってまいりました。窓やガラスは断熱性能による省エネ効果だけではなく、自然光の活用や開放感、さらには安全安心の確保など、人々の暮らしや働く環境の質に大きく関わる素材でございます。私たち板硝子協会としましても、社会課題の解決に貢献する素材産業として、より快適で持続可能な建築物、まちづくりにどのように貢献できるかを改めて考えていく必要があるというふうに考えております。本日の第1部では、ウェルビーイングや建築環境に関する最新の知見について、専門家の先生方よりご講演をいただきます。第2部では、もうお馴染みになりましたトークセッション。業界における様々な立場の方々の意見交換を通じて、ガラス業界の未来像について幅広く議論いただく予定です。本フォーラムが参加者の皆様にとって、新たな交流や情報共有の場となり、今後の事業活動や業界発展につながり、実り多い機会となれば幸いでございます」

 続いて、板硝子協会が刊行した「ビルの窓ガラス」について、湯村信二氏(セントラル硝子プロダクツ㈱)、西川祥子氏(日本板硝子㈱)、斉藤栄亮氏(AGC㈱)の3名が説明を行った。

 その後、第1部の講演パートに入り、初めに国土交通省国土技術政策総合研究所の宮田征門氏が「ビルの省エネ・脱炭素施策の最新動向と窓ガラスへの期待」と題して講演した。

 国の施策が変動する中で、最新の状況であると同時に、後の時代に2026年の建築がどのようなものだったかを残す記録としても、今回刊行した「ビルの窓ガラス」は重要な資料となるとして、その資料価値を評価した。その上で、国総研の紹介や、なぜ省エネが必要か、建築物の省エネ化に関する最新動向、これからは「ライフサイクルカーボン」の時代、今後の期待などについて講演し、「住宅・建築物の省エネルギー化の促進が急務」、「これからの脱炭素時代では窓ガラスがビル性能を決める時代に」なるとして講演を終えた。

 次に、早稲田大学建築学科教授で、スマート社会技術融合研究機構の機構長を務める田辺新一氏が登壇し、「建築におけるウェルビーイングと未来の窓ガラスの方向性—窓は小さくなるのか、賢くなるのか—」と題して講演を行った。

 快適性や健康性、省エネルギーの研究を進める中で、窓が小さくなる傾向にあるとして、断熱性の向上や冷暖房負荷の低減、施工性の観点からこうした傾向にあるのではないかと分析。しかし、窓が小さい建築は、光が入らない、閉塞感がある、心理的開放感が減るといった問題もあるのではないかと指摘し、みらいの窓ガラスは「人と外部環境をつなぐ知的インターフェイス」ではないかとの見解を示した。

 ここで10分間の休憩を挟み、第2部のトークセッションに移った。

 トークセッションのテーマは「若手が語る〝ガラス業界の未来像〟〜事例×対話から見える新たな可能性」。

 登壇者は、㈱大久保硝子店の大久保徳朗社長と鍛冶玲菜経営企画室長、㈱小間久商店の松井秀夫社長、㈱伊藤ガラスの伊藤覚社長、㈱菱田硝子店の菱田義久社長。ファシリテーターは、尾畑長硝子㈱の尾畑聡一社長と村島硝子商事㈱村島靖基社長が務めた。

 約60分間のトークセッションは、セッション1「ガラス業界やガラスという素材について思うこと」、セッション2「若手への技術の継承について」、セッション3「ガラス業界の未来像」に分かれて進められ、登壇者がそれぞれの立場から考えや想いを述べた。

 大久保社長は「選ばれる業界、選ばれ続ける業界になりたい」と話し、「ガラスの魅力やカッコ良さを語るためには、自分の仕事の内容を理解し、熱量をもってあたれば、時間がかかっても変わっていける」との考えを明かし、鍛冶経営企画室長は「今ある技術を言語化して、若い人たちに伝えていくことが必要で、ガラスはなくてはならないもの、あって当たり前のガラスを届けた先に何があるのかを届けることが大切」と説いた。

 松井社長は「ガラス業界の未来は明るい」と話し、「代替素材がなく、ウェルビーイングに繋がるものとして、この商材にプライドをもって、言語化して伝える必要がある」と業界の未来について意見を述べ、伊藤社長は「この業界に居てよかったと思える業界、評価してもらえる業界になれればよい」との思いと、「労働対価」の大切さを指摘。

 菱田社長は都硝協訓練校の講師としての経験を踏まえながら、職人を育てるために業界が一丸となって取り組むこと。全国に4校しかない訓練校を増やし、訓練生も講師も育てる必要と、業界のカッコよさを伝える発信の仕方を考えることが課題と話し、技術継承の難しさを話した。

 トークセッション終了後は、会場を隣室に移して合同懇親パーティーが行われた。

 主催団体を代表して全国板硝子工事協同組合連合会の木村俊一会長、来賓を代表して経済産業省大臣官房審議官製造産業局担当の畑田浩之氏があいさつをした後、主催各団体の代表者が登壇し紹介を受けた。続いて、乾杯の音頭を新たに全国板硝子商工協同組合連合会会長に就任した中村勉会長がとって、懇親会は華々しく幕を開けた。

 懇親会会場では、各地から集まった関係者が、思い思いのテーブルで旧交を温め、情報交換を行うなど和やかな雰囲気に包まれていた。

 宴もたけなわとなったところで、全国板硝子卸商業組合連合会の田中廣会長が中締めのあいさつをして、7時すぎに閉会した。

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