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三芝硝材 薄物特化の芹川工場を新設 本社工場・高岡西工場を増設 小矢部市芹川に建設 27年末に竣工・製造開始

2026.09.28

芹川新工場の東面 (芝浦工業大学大学院の片岡洸貴、道佛佳祐、森根脩二朗の3氏設計)
工場の南東面(同)
 三芝硝材㈱(富県高岡市、西英夫社長)は、富山県小矢部市芹川に新工場を建設する計画を進めている。新工場は「芹川工場」で、竣工・製造開始は2027年末、薄物製品の量産と短納期対応で、年産38万㎡の生産量を見込んでいる。投資総額は約73億円で、このうち21億7000万円は、経済産業省の「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省人化等の大規模成長投資補助金」を活用し、交付を受ける。
 なお、新工場の稼働に伴い、本社工場では厚物製品の生産に特化させる拠点再編を実施、倉庫を新設して物流の効率化を図る予定。
 新工場の核心は、ハンドリングレスおよび容器レス(ラックレス)を実現した工程間の完全自動化にある。自動検査装置によるトレーサビリティデータの取得に加え、自動倉庫が工程間のタクト差を吸収し、出荷時の現場搬入順・梱包順に合わせて製品を自動払出しする。これにより、製造現場における手作業での仕分け負荷を劇的に削減する。
 建設予定地は、能越自動車道の福岡インターチェンジに近い、ショッピングセンターの跡地で、敷地面積は1万9586㎡(5935坪)、工場面積は1階が8608㎡(2608坪)、事務所棟が入る2階は675㎡(205坪)。国道8号線に面しており、現在行政が導入路を建設中で、26年末に完成する予定。
 工場コンセプトは、ハード面で①縦型設備で省スペース化、②ハンドリングレス化で品質向上・省人化、③容器レスで中間在庫・スペースの削減、④自動検査で省人化とトレーサビリティデータの取得、⑤自動倉庫で工程間タクト差を吸収し梱包順に製品を払出すことを目指す。一方、ソフト面では、①受注内容や荷姿に応じた生産計画の自動化を目指し、本社システムと設備メーカーシステムを連携させる、②データ連携で工程をつなぎ、ヒューマンエラーを抑制することを目指し、生産体制では①生産状況と設備負荷の常時モニタリングを実現、②製造コストを自動算出し、可視化出来るようにする。薄板に特化し、生産計画と連動した自動化ラインを構築することで、省力化と生産の効率化を強力に推し進める。
 設備は、加工機械とソフトの大半がオーストリアのLiSEC社製(販売代理店=バンドー貿易㈱)で、強化炉と合わせガラスのライン等には中国製の機械が導入される。投資額のうち、25億円が機械装置とシステムの構築費に充てられている。基幹システムとLⅰSEC製システムのデータ連携により指示ミスや読取りミスを排除することで、品質不具合削減とリードタイム短縮を両立させる。
 生産では、強化ガラスが厚み4・0㎜~6・5㎜まで対応し、糸面(180㎜×350㎜~1500㎜×3000㎜)、荒摺り(180㎜×470㎜~1500㎜×3000㎜)、孔明(180㎜×600㎜~1500㎜×3000㎜)、エグリ(180㎜×650㎜~1500㎜×3000㎜)の各加工を手掛ける。合わせガラスは同3・0㎜~6・0㎜までで、糸面(300㎜×350㎜~2000㎜×3000㎜)、荒摺り(300㎜×470㎜~2000㎜×3000㎜)、孔明(300㎜×600㎜~2000㎜×3000㎜)、エグリ(300㎜×650㎜~2000㎜×3000㎜)と、無加工(300㎜×300㎜~2000㎜×3000㎜)に自動ラインで対応する。また、本社工場から加工機を一部移設し、自動ライン以下のサイズも生産可能とするほか、デジタル印刷機を新設し印刷ガラスも生産。小矢部工場からもフィルム貼合機を移設して、貼合品の配送費削減・短納期対応を進める考え。
 工場の外観は、来客用エントランスのある東面を中心に、同社で加工したガラスを多く採用。10m×2メートルの曲げ合せガラスを配置するほか、内部にはガラスのらせん階段や、瞬間調光ガラスを採用(予定)のミーティングルーム、事務所内から工場内が見えるような設計を計画している。
 本計画では、事業拡大に伴う加工ガラス製造エリアと事務所エリアを合わせて計画した。同社は「Glass Show factory」という建築コンセプトを掲げており、この理念を反映し建築設計を行った。設計は芝浦工業大学大学院の片岡洸貴、道佛佳祐、森根脩二朗の3氏が担当した。工場来訪者は、製造エリアで加工過程を見学できると同時に、事務所エリアでは自社製品の意匠ガラスで構成された動線を歩くことで、建築の一部となるガラスをリアルに体感できる。ガラスが加工され、製品となり、建築物となるまでの過程を集約したこの工場を、三芝硝材の新たなショーケースとして位置付けたい考え。
 なお、同社は2026年以降も積極的な投資を計画している。
 26年9月には、高岡西工場で新規強化炉(3・2m×8m)、本社工場では新規の化学強化炉(3・1m×6m)をそれぞれ設置した。化学強化炉は世界最大級サイズの化学強化ガラスの供給が可能になる。また、27年は、赤丸工場に日本で最大級の曲げ炉(3m×10m)を導入。高岡西工場にも日本最大級のオンデマンド印刷機(3m×8m)の導入を計画する。赤丸工場の曲げ炉で最初に製造する曲げガラスは、芹川工場のファサードに使用される。
 同社では、製品サイズを大型化し、製品品質を向上させる事でユーザーの高い要求に答えたい考えで、芹川工場の自動化設備に加え、本社工場を始めとする各工場への投資により、高品質と納期短縮を実現し、量産効果による最適価格での提供を実現。ステークホルダーの満足度向上を図る方針で、今後も継続して高品質化・短納期化・最適価格を実現する投資を継続するとしている。

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